いつもの3人で錫杖へ。
河原のテントサイトで一泊し余裕をもって2本のルートを攀る。夜はゆっくり岩壁を眺め、温泉に入って帰ってくる…。
そう上手くいったことはいまだかつてありません。今回もインシデント(事故の一歩手前)多彩なヒヤヒヤ山行になってしまいました。

↑しかしこの山(岩)は何度見てもかっこいい。
まさにJapanese Yosemiteですね。
まずもって天気が下り坂であり、日曜日の降水確率が70%と聞いてはテントを担いで行く気にもなれない。取付きまでのアプローチは2時間程度、もし帰ってきて予報を確認し好転するようなら駐車場で寝ることにして泊まり装備はすべて置いていくことに。

狙ったのは1ルンゼ。僕含め2人は以前に上ったことがあり間違えることはないだろう、っていう過信が大甘の失態の始まりはじまりで、しかも集団心理が働き(斉一性って言うのかな)みんな前しか見られていない状況だったのかな。ともあれこうして1p目からして明らかに難しいラインを離陸してしまったのです。

↑1p目終了点間近を登る
結局打ったハーケンで作った2p目の終了点に3人が集合した時に自らの居場所を認識したのです。本来ずっと左手にあるはずの白壁がまっすぐ頭上に待ち構えているではありませんか。プロテクションもあまりとれない岩質にあって、5.10aはあろうかという明らかに難しいルート。どうやら1ルンゼ“左”ルートに入ったらしいことをこの時悟ったのでした。そして対1ルンゼ用の装備はあまりに貧弱でこれ以上上がることは困難に思えました。もちろんここでは3人の判断は一致。「即刻撤退すべき」でした。

↑途中出会った食虫植物。初めて自生するのを見ました。岩場の罠にはまり込んでいく僕たちを象徴していたのでしょうか。
ただ懸垂下降をしようにもアンカーが自分らで打ったハーケン。問題はリスが短く近くに残置ハーケンが刺さっており信頼しきれない。結局手の届く範囲で分散できそうな支点を取ることはできず、残置ハーケンの隣にもう一本ハーケンを打ちなおして懸垂することに。一人ぶら下がり、二人ぶら下がる。場所がらラストになった僕は肝を冷やしながら順番を待つ。張り付く岩壁は地上100m。もしハーケンが飛んだら、岩がはがれたら…そしたら即座に10mくらい下のテラスに向って飛び降りようと覚悟を決めたころ、ついに順が回ってきます。
そこで改めてハーケンの確認。そしたらなんと先に打ったハーケンが手で簡単に抜けるではありませんか

!!。どうやらハーケンが“てこ”になってリスを広げ、横向きに打っていたハーケンがゆるゆるになっていたようなのです!ヒャー怖い。
結局下でビレイしてもらいながら僕がより強固な支点のあるところまでクライムダウンして難を逃れましたが、思い出に残る懸垂下降となりました

。

↑帰りには分登研改め独立行政法人日本スポーツ振興センター登山研修所に引き続き勤務されることになった東ヒデノリさん宅に寄らせていただき反省会。最近インシデントが続くことを踏まえての僕たちの問題点とこれからの安全な登山、部活での指導などについてさながら討論会のように熱く語り合いました。
地に足を踏みしめ歩けるというのは素晴らしいです。
東さん本当にたくさんごちそうさまでした

posted by しんぺ at 18:56| 石川

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アルパインクライミング
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